制度の骨格 — 医療保険料に0.23%の上乗せ
How It Works — 0.23% on Top of Your Health Premium『こども未来戦略』に基づく支援金制度は、2026年4月分の医療保険料から徴収が始まります。被用者保険での2026年度の一律支援金率は 0.23%。労使折半のため、個人負担はこのうち半分です。
計算式は単純です。標準報酬月額 × 0.0023 ÷ 2 が月々の個人負担額。ボーナスには標準賞与額を使った別計算が重なります。0.23%と聞くと『大した金額ではない』印象ですが、年収が上がるほど絶対額は増えていきます。
国民健康保険や後期高齢者医療でも同じ『国が示す一律の支援金率』を使う建てつけ。制度横断で公平に薄く広く徴収するという設計思想です。
『独身税』という批判は的を射ていません。支援金は『子どもがいるかどうか』ではなく『医療保険に加入しているか』で決まります。独身でも、子どものいる家庭でも、年収が同じなら負担額は同じです。
年収別の実額 — 月いくら引かれるのか
The Numbers — How Much Comes Out Each Month政府(こども家庭庁)が公表した試算に基づく、被用者保険・労使折半後の個人負担額は以下の通りです。
| 年収 | 月額 | 年額 |
|---|---|---|
| 200万円 | 192円 | 約2,300円 |
| 400万円 | 384円 | 約4,600円 |
| 600万円 | 575円 | 約6,900円 |
| 800万円 | 767円 | 約9,200円 |
| 1,000万円 | 959円 | 約11,500円 |
年収600万円の会社員で月 575円、年1回のランチ2回分に満たない水準。ただし、2028年度までに段階的に引き上げ される予定で、最終的には現在の約1.7倍になります。
6,000億 → 1兆円 — 3年かけて1.7倍へ
6T → 10T Yen — A 1.7× Climb Over Three Yearsこども家庭庁の試算では、支援金の徴収総額は 2026年度 約6,000億円 → 2027年度 約8,000億円 → 2028年度 約1兆円 と段階的に引き上げられます。一律支援金率も、現行の0.23%から年々上昇する設計です。
単純比例で考えれば、現在の月575円は **2028年度に月約950円〜1,000円** まで増える見込み。年額では約1.2万円の負担増です。
同じく単純比例で、月959円は **月約1,600円** 水準まで上がる見込み。年額で約1.9万円の負担増。『薄く広く』は、気づいたときには薄くなくなります。
何に使われるのか — 受け取る家庭の視点
Where It Goes — The Receiving Side支援金の使い道は『こども未来戦略』の加速化プラン。柱は 児童手当の拡充(所得制限撤廃・高校生まで・第3子以降3万円)、出産育児一時金の引き上げ、育児休業給付の拡充(実質手取り10割) など、3.6兆円規模の施策です。
年収600万円・子ども2人の世帯で見ると、児童手当の拡充だけで 年間数万円〜十数万円 の手取り増が見込まれます。支援金の年6,900円と比べれば『受け取る側』には十分見合う水準です。
個人として損得を語るより、**『世代間・世帯間の所得移転』** として理解したほうが制度の姿は掴みやすい。現役世代内の再分配として、独身・子なし世帯が子育て世帯を部分的に支える構造です。
- 支援金は医療保険料に上乗せされるため、給与明細上は『健康保険料』の中に溶け込みます
- 高額療養費制度や傷病手当金など、本来の健康保険給付は一切減りません
- 『子育て』を直接支援するのは児童手当・育休給付などの受け取り側であって、支援金は財源側の話