夜空の星を見上げて「あの星はどのくらい遠いのだろう」と思ったことはありませんか?天文学は人類が最も長く続けてきた科学であり、最もスケールの大きな問いを扱います。この講義では太陽系から始め、恒星の一生・銀河の構造・宇宙の起源へと視野を広げていきます。
ねらい — 地球は宇宙の中では決して特別ではありません。でも今のところ「生命がある」とわかっている唯一の天体です。
太陽系は中心に太陽があり、その周りを8つの惑星(水・金・地・火・木・土・天・海)が公転しています。地球は内側から3番目で、液体の水が存在し、生命が知られる唯一の惑星です。惑星の外側には小惑星帯や、彗星の故郷とされるカイパーベルトも広がっています。
太陽系は46億年前、宇宙空間を漂っていたガスと塵の雲(分子雲)が自分の重力で収縮することで生まれたと考えられています。中心に集まったガスが高温・高圧になって太陽になり、残りのガスと塵の円盤から惑星が少しずつ作られていきました。
ねらい — 星にも「一生」があります。生まれた時の重さによって、その後の運命が大きく変わります。
星はガスの雲が重力で縮んで高温高圧になり、中心部で水素が融合してヘリウムを作る「核融合反応」が始まると輝き出します。この安定して輝く期間を「主系列星」と呼び、太陽はちょうど今その段階の真ん中あたりにいます。あと約50億年は輝き続けるでしょう。
星の一生は生まれた時の質量(重さ)で決まります。太陽ほどの質量なら、燃料が尽きると「赤色巨星(赤く膨らんだ星)」になり、最後は「白色矮星(小さく密な残骸)」になります。太陽の8倍以上重い星は「超新星爆発(壮絶な爆発)」を起こし、「中性子星」または「ブラックホール」を残します。
ねらい — 夜空に見える無数の星は、ほぼすべて同じ銀河(天の川銀河)の中にあります。しかし宇宙には、そのような銀河が数千億個もあります。
銀河は数百億〜数千億個の恒星と、ガス・塵・暗黒物質が重力で集まった巨大な系です。私たちの太陽系は「天の川銀河(銀河系)」という渦巻銀河に属しており、約2000億個の星が含まれています。夜空の天の川は、その銀河の内側から見た「銀河の円盤」です。
銀河は宇宙の中でランダムに散らばっているのではなく、「銀河団(銀河の集まり)」や「超銀河団(銀河団の集まり)」を形成しています。さらに大きなスケールでは糸のように延びる「フィラメント」と、何もない広大な「ボイド(空洞)」が交互に現れます。これが宇宙の大規模構造です。
ねらい — 「宇宙はどこから来たのか」「どこへ向かうのか」——これが宇宙論の問いで、意外なほど観測証拠に基づいた科学的な答えがあります。
ビッグバン宇宙論は「宇宙は138億年前に超高温・超高密度の状態から始まり、今も膨張し続けている」という理論です。証拠は複数あります:遠くの銀河ほど速く遠ざかること(ハッブルの法則)、ビッグバンの熱の名残である「宇宙マイクロ波背景放射」、水素やヘリウムの存在比がビッグバン理論の予言と一致することなどです。
現在の宇宙は加速しながら膨張しており、その原因として「暗黒エネルギー(宇宙を押し広げる未知のエネルギー)」が提唱されています。宇宙の中身を割合で見ると、私たちが目で見える普通の物質はわずか5%で、暗黒物質が27%、暗黒エネルギーが68%と推定されています。