石油・ガス、電力、再生可能エネルギー、原子力、脱炭素戦略の最新動向。
資源エネルギー庁の需給見通しによれば、2026年8月の東京エリアの電力予備率は0.9%。安定供給の目安とされる3%を大幅に下回り、記録的猛暑が重なれば計画停電が現実的なリスクとなる。背景には火力発電所の老朽化・休廃止による供給力低下(▲256万kW)と、AI・データセンター需要の急増(+129万kW)の両要因がある。2040年に9倍とされるデータセンター電力需要の予測は、日本の電力インフラの「限界」を問い直している。
2026年1月、長崎県五島市沖で国内初の浮体式洋上風力(商用)が稼働開始。8基・総出力16,800kWのプロジェクトは戸田建設が主導する。一方2025年8月、三菱商事は秋田・千葉3海域の固定式洋上風力から正式撤退——コスト高騰・円安・金利上昇を理由に挙げた。「安値入札→コスト超過→撤退」という第1ラウンドの教訓から、入札基準見直し・国産化比率要件の強化が進む。日本の2040年再エネ目標(4〜5割)達成には洋上風力が不可欠だが、現状は目標から大きく乖離している。
2026年4月現在、新規制基準下で再稼働した原発は15基に達し、柏崎刈羽6号機の復帰で「西高東低」の構図が崩れ始めた。しかし2040年目標の20%達成には30基規模の稼働が必要であり、使用済み核燃料の最終処分場は依然として未定のままだ。電力料金への値下げ効果、CO2削減のインパクト、そして再稼働の「アキレス腱」を数字で読み解く。
日本の再エネ政策は「全部やろう」としているが、太陽光はすでに過剰投資ぎみ、洋上風力は規制リスク、水素はコスト問題と、各技術が異なる障壁を抱える。ホルムズ危機後のエネルギー安全保障論議を踏まえ、選択と集中の観点から日本の再エネ戦略を批評する。
ENEOS・東京電力・関西電力など主要企業の収益構造を解剖。電力自由化後のビジネスモデル転換、再エネ拡大と原発再稼働の議論、ホルムズ危機が浮き彫りにした構造的脆弱性を分析する。