2026年4月:変動金利が「1%」に到達するまでの経緯
April 2026: How Variable Rates Reached 1%変動金利(優遇後適用金利)の推移
2024年3月
0.3〜0.5%
2025年1月
0.5〜0.7%
2026年1月
0.85〜1.0%
2026年4月
0.975〜1.15%
適用1%突破
2024年3月の日銀マイナス金利解除以降、変動金利型住宅ローンの適用金利は着実に上昇してきた。主要メガバンク・ネット銀行の変動金利の推移:
2024年3月:0.3〜0.5%(マイナス金利解除前後) 2025年1月:0.5〜0.7%(政策金利0.25%) 2026年1月:0.85〜1.0%(政策金利0.75%) 2026年4月:0.975〜1.15%(一部銀行で適用1%突破)
「金利のある世界」は静かに、しかし着実に到来した。2020〜2023年に0.5%以下の変動金利でローンを組んだ借り手は、2年足らずで適用金利が2倍以上になったケースも珍しくない。
月々の返済額は実際いくら増えるか——残高別試算
How Much Will Monthly Payments Actually Increase? Calculations by Balance+0.25%利上げ時の月々返済増加試算
残高2,000万円・残25年
+¥2,400/月
年+2.9万円
残高3,000万円・残25年
+¥3,600/月
年+4.3万円
残高4,000万円・残20年
+¥4,500/月
年+5.4万円
日銀が6月に0.25%追加利上げを実施した場合の月々の返済額増加額(概算):
:約+2,400円/月 【残高3,000万円、残期間25年の場合】:約+3,600円/月 【残高4,000万円、残期間20年の場合】:約+4,500円/月
月5,000円以下の増加は「小さい」と感じるかもしれないが、2026〜2027年にさらに0.5〜0.75%の追加利上げが続いた場合、同じ3,000万円・25年残借入で総支払額は200〜350万円増になる。
「月5,000円くらいなら大丈夫」という安心感は、今後2〜3年の利上げを1回分しか織り込んでいない可能性がある。
固定金利への乗り換え判断——損益分岐点の試算
Switching to Fixed Rate: Break-Even Point Calculation変動→固定 損益分岐点(試算例)
条件:残高2,500万円・残25年・変動1.0% → 固定2.8%
固定化が有利になる条件
変動が3年以内に
2.3%以上到達・継続
(年+0.43%ペース)
変動継続が有利になる条件
2028年末でも
2.3%以下に留まる
(利上げペースが鈍化)
2026年4月時点の全期間固定金利(フラット35相当)は2.5〜3.1%。変動1.0%との差は1.5〜2.1%。「今すぐ固定に乗り換えるのは損」という単純計算に見えるが、損益分岐点の分析が必要だ。
試算例:残高2,500万円・残期間25年・現在変動1.0%でフラット2.8%に乗り換える場合——変動金利が今後3年以内に2.3%以上に到達し継続するなら固定化が有利になる。「3年で2.3%」は「1年あたり0.43%の利上げ」に相当し、日銀が現ペースを継続した場合に十分起こりうるシナリオだ。
残期間が長い(25〜35年)ほど固定化のリスクヘッジ効果が高く、残期間10年以下なら変動継続の方がほとんどのケースで有利になる。
今すぐやるべき3つのアクション
Three Actions to Take Right Now今すぐやるべき3つのアクション
繰り上げ返済シミュレーション
余剰資金の一部を繰り上げ返済に充て、元本を先に減らす
金利上昇前提の家計見直し
変動2%でも維持できるか試算。難しければ固定費削減・収入増を検討
固定・変動の最新金利比較
借り換えコンペアサービスで乗り換えコスト込みの総コスト比較を実施
変動金利保有者が今すぐ取るべき3つのアクション:
【アクション1】繰り上げ返済シミュレーションの実施:金利が上がる前に元本を減らすことで将来の利息負担を確実に下げる。余剰資金の一部を繰り上げ返済に充てる目安を試算する。
【アクション2】金利上昇前提の家計見直し:変動金利が2%になった場合でも家計が維持できるか確認する。「月々の返済額+2〜3万円でも生活を維持できるか」を試算し、不安があれば今のうちに固定費削減・収入増施策を検討する。
【アクション3】固定・変動の最新金利比較と相談:住宅ローン借り換えコンペアサービスでシミュレーションを行い、乗り換えコスト(事務手数料等)を含めた総コスト比較を実施する。
The Brief視点——「継続的な状況確認」が最重要戦略
The Brief's Take: 'Ongoing Monitoring' Is the Key Strategy固定化を優先すべき条件(複数該当するほどリスク高)
残期間が20年以上ある
世帯収入が将来減少する可能性がある
手元貯蓄が残高の10%以下(繰り上げ余力なし)
変動2%時に返済が苦しくなる試算結果
金利環境は6ヶ月ごとに見直すことを習慣化する
「今すぐ固定に乗り換えるべき」という断定的アドバイスは、個々の借入条件・家計状況・リスク許容度を無視している。重要なのは「変動金利のリスクを理解した上で意識的にリスクを取っているか」という姿勢だ。
以下の条件に複数当てはまる場合、変動金利継続にはリスクがある: ①残期間が20年以上ある ②世帯収入が将来減少する可能性がある(転職・育児休業等) ③手元貯蓄が残高の10%以下で繰り上げ返済の余力がない ④金利が2%になったとき返済が苦しくなる試算結果が出た
条件に当てはまる項目が多いほど、固定化の優先度を上げるべきだ。金利環境は6ヶ月ごとに見直すことを習慣化し、「判断しない」というリスクを取らないことが最も重要な戦略だ。
sources: モゲチェック / BusinessInsider Japan / HOUSTART / 住宅金融支援機構