通信キャリア、IT企業、SaaS、クラウド、サイバーセキュリティなど、情報通信業界の最新動向と技術解説。
2025年を「量子産業化元年」と宣言した日本政府は、METI・文科省・内閣府を合わせ年間400億円超の量子技術予算を投じている。富士通と理化学研究所は世界最大級の256量子ビット超伝導量子コンピュータを達成し、2026年には1,000量子ビットを目指す。しかし技術力の進展とは裏腹に、産業応用の実用化は依然として限定的だ。人材不足・エコシステムの未成熟・企業の意思決定スピードという「三重苦」が、日本の量子優位の実現を阻んでいる。IBMやGoogleと組む戦略は賢明か、それとも自前開発の放棄か——日本の量子戦略の真価を問う。
2024年度末、日本の5G人口カバー率は98.4%に達した。全国1,741市区町村すべてに5G基地局が立ち、インフラとしての「整備」はほぼ完成した。それでも5Gが「使われている」実感を持つ人は少ない。NSA方式中心の展開が「なんちゃって5G」を量産し、キャリアの収益は4G時代と変わらず、5G本来の超高速・超低遅延・多数同時接続の恩恵は産業現場の実証実験にとどまる。5G普及の本当の問題は電波でも設備でもなく「キラーアプリがない」こと——インフラ投資先行・需要創出後追いという日本通信業界の構造的パターンを批評する。
世界のクラウドインフラの90%以上、Androidを通じてスマートフォン市場の72%超を支配するLinux。1969年のUNIX誕生から半世紀以上を経て、なぜオープンソースのOSが現代デジタル社会の基盤となったのか。歴史・アーキテクチャ・ディストリビューション比較・日本での活用事例を通じ、「UNIXの遣産を継ぐOS」が今後も支配的である理由と、日本企業がLinux活用で出遅れている本質的な問題を問い直す。
2026年3月27日、デジタル庁はさくらインターネットの「さくらのクラウド」を2026年度のガバメントクラウド提供事業者として正式採択した。305項目の技術要件すべてをクリアした国内勢は初。AWS・Google Cloud・Microsoft Azure・Oracleに並ぶ5社目で、唯一の日本企業となる。一方、IIJやソフトバンクは選定されず、Microsoftは日本に100億ドル投資しつつSoftBankとさくらを組み込む「ソブリンAI」戦略を打ち出した。本記事は経済安保とクラウドを貫く力学を整理する。
2025年5月21日、改正NTT法が参院本会議で成立し、2026年春に施行された。焦点だった法律そのものの廃止は見送られ、付則で「施行後3年を目処に改廃を含めて検討」と明記。研究開示義務は撤廃された一方、政府のNTT株3分の1以上保有と外資規制は維持、NTTの電柱等設備譲渡に新たに国の認可が必要となった。KDDI・ソフトバンク・楽天モバイルを含む183者の反対連合が勝ち取った「現状維持」の中身と、3年後の再検討に向けた各社の布陣を整理する。
北海道千歳市の Rapidus IIM-1 工場で 2nm のパイロットラインが本格稼働し、2027年の量産開始に向けた最終ステージに入った。METI は2026年度予算で AI・半導体に1兆2,390億円(前年度比3.7倍)を計上し、うち約7,800億円が Rapidus 単独の支援に充てられる。Canon・Honda・Fujitsu・Fujifilm が出資し、IBM が 2nm・1.4nm の技術を提供。TSMC 熊本第2工場は3nm へ仕様を引き上げ、Microsoft は日本に100億ドルを投じる。日本半導体「最後の挑戦」の現在地を一気に整理する。
Rapidus・TSMC熊本・Microsoft 100億ドル投資が同時に動く2026年の日本半導体復活は、単なる産業政策ではなく米中テック冷戦の最前線に位置する地政学イベントだ。CHIPS法と日本の対応、台湾有事リスク、素材・装置で握る世界シェア、そして『半導体自由連合』における日本の戦略的役割を、6つの視点から横断的に整理する。
KDDIの子会社ビッグローブと孫会社ジー・プランで発覚した累計2461億円の架空循環取引。広告代理事業の売上の99.7%が虚構という前代未聞の不正はなぜ7年間も見過ごされたのか。特別調査委員会の報告書を基に、不正の手口、組織の構造的欠陥、そして再発防止策の実効性を検証する。
スマートフォンからAIデータセンター、自動車まで——現代のあらゆるテクノロジーの根幹にある「半導体」。その原理、製造工程、グローバルサプライチェーン、そして日本の半導体産業の過去・現在・未来を、図解とともに体系的に解説する。
EC・フィンテック・モバイル通信・AIを一つのエコシステムで結ぶ楽天グループ。通信事業の巨額投資は実を結ぶのか。ビジネスモデルの構造から財務状況、投資家の視点までを体系的に解説する。
私たちが毎日使うインターネット。しかしその裏側では、データがどのように世界中を駆け巡っているのか。ネットワークの基礎から最新の通信技術まで、仕組みを体系的に解説する。
スマートフォンで通話し、動画をストリーミングし、メッセージを送る。すべての裏側には「通信」という技術がある。電波・光・衛星——情報を運ぶ3つの仕組みと、日本の通信インフラの全体像を解説する。
NTTが提唱するIOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想。電力消費1/100、伝送容量125倍、遅延1/200という目標を掲げ、光技術で通信・コンピューティングの根本を変えようとしている。3つの技術要素、光電融合デバイスの実用化、そしてグローバル標準化の現在地を体系的に解説する。
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